柴田敏雄　日本典型

広大な造成地、巨大なダムの壁面。これらの風景は、8×10（エイトバイテン）と呼ばれる大型カメラによって捉えられている。大判カメラならではの緻密な描写と、歪みのない正確な像結像が、風景の細部まで克明に写し出す。モノクロで水平垂直を意識した構図は、構造物の持つ量感と、周囲の空間との関係性を鮮やかに描き出す。
実は、当初この写真集のタイトルは「日本点景」となる予定だった。しかし、印刷所への入力ミスにより、そのまま「日本典型」として世に出ることになったという。意図せぬ偶然が生み出したこのタイトルは、結果として、個々の風景の断片（点景）を超え、日本の国土が持つ構造的な特徴、つまり「典型」をより強く示唆するものとなったと言えるだろう。大判カメラが捉えた精緻な画面は、見慣れたはずの風景が持つ異質な存在感を、より一層際立たせる。


【タイトル】日本典型
【出版元】 朝日新聞社
【出版年月日】1992年10月　初版
【ページ数】頁付きなし
【大きさ】約29×30×1.4cm
【フォーマット】ハードカバー
【タイトルよみ】ﾆｯﾎﾟﾝﾃﾝｹｲ
【著者・編者等】柴田敏雄/著者
【ISBN】4-02-256508-X
【状態】中古　並：Used　Good (天少ヤケ)
【付属品】帯
【掲載本】
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